風物詩(スイーツオブザエブリイヤー)

gep2007-11-21

実家の庭には数本の柿の木がある。
我が家では祖父の代からその柿をもぎ、焼酎でさわす。
そうして出来た柿は一切の渋みが失せ、突き抜けたように甘く、無論うまい。
 
この地方の柿は「みしらず柿」と呼ばれ、二つの意味があるという。
一つは、一本の木が身の程を知らないくらいたくさんの実を付けること。
もう一つは種がないこと。(当りはずれはある。)
 
先日、メールでお袋さんとこんなやりとりをした。
「今年は柿いる?」
「ほしい!ただ、去年みたいに買ってよこすくらいだったら今年はこっちで買うからいいよ」
「今年はたくさんなったから送るね」
 
あ、送りたかったのね。
それは嬉しい。
フルーツでは柿が最も好きなのだ。
味もさることながら、柿には趣がある。
なんかもう柿は柿というだけで趣がある。
ラフランスからは出てこない郷愁がある。
しかも他ならぬみしらず柿。
嬉しくない訳があろうか!
 
しかし問題は量。これが結構クリティカル。
昨年に引き続きお袋さんは今年もたくさん送って下さった。
本来であれば、このスイーツオブザイヤー…否、スイーツオブザエブリイヤーを誰かに譲るなど、中二男子からベッドの下の夢を取り上げるくらいあり得ないことだ。
 
総柿数−腐るまでの日数×一日のノルマ×一人(オレ)>0…(a)
でも式(a)が成り立つから仕方ない。
 
そこで去年に引き続き今年も会社の誰かにあげることを考えるのだが
思い出すに…
信じられない事なのだが…
柿が好き!皮をむいてでも食いたい!って人が周囲に余りにもいない。
日々の忙しさに、皮むきの煩わしさに、柿を食べないとは実に嘆かわしい。
本当に日本人だろうか。それで二十一世紀を生きる文化人のつもりなのだろうか。
いいんだよ無理して日本語話さなくても、エスペラントでも話せばいいじゃないっ!
脱線した。
去年から近所に越してきた同期に、訊いてみた。
「フルーツは好き?」
「うん!イチゴとか」
「イチゴかぁ。皮むく系は好き?」
「全然むくよーありがとう^^」
「ちょw早いw柿なんだけど、好き?」
「大好きだよー!」
道連れ決定実に運がいい人だ。3コほど贈呈した。意外に喜んでいたからオレもこの際だと思って嬉しくなって、少なかったらまたあげるから言ってねと言った。
式(a)の左辺に−3を加え、今年はとんとんと言った所か。