切なさの終着点

高速バスに乗る友人を見送り、戻ってきた最寄駅から歩いた時にふと思い出した。
 
4年前。
自動車学校の帰りの送迎バスの中、冬の日のこと。
10人足らずが乗車したマイクロバスの運転手は結構適当だった。
運転手 「どこらへんで降りるんでしたっけ?」
誰か  「ブックMAXの前あたりで(笑)」
運転手 「(雪でよくわからないけど)ここらへんでいいですか?」
オレ  「もうちょっと!もうちょっとまっすぐ!(笑)」
女子高生「あはははは(笑)」←
乗ってる講習生はお互い知り合いとかじゃないのに
車内の空気はほんわりあったかくてわくわくするような楽しさ。
でもこの場の楽しさに次とかはないことに気付く切なさ。
こういうちょっとした非日常的な出来事が、その切なさがとても好きだったのを、ふと。
 
でも今思う。
4年前のシチュエーションはひとまず置いておいて…
もし違う時に、非日常的な楽しさに「次」という選択肢があったとしても
オレはそのボタンを押さなかっただろう。押せなかっただろう。
「頑張って次につなげるより、今ここで止めておくことで綺麗で切ない思い出になるんだ」
とか言い訳を胸に並べて。後悔を見ないふりで。
 
そういった切なさは今でもやっぱり好物で、大切にしたい感情だけど
これからオレの目の前に「次」のボタンが現れたら、きっと押したい。
無駄にしたくない。
出会いが欲しい。
要するに、出会いが欲しい。
えええええええ
 
 
<了>