津軽一泊二日三センチメンタル

最後の多感な四年を過ごしたあの街に戻り、大学のOB会に参加してきた。
 
大宮から新幹線に乗り、盛岡まであっという間のテレポーテーション。寝ていたからね。
そこから先は津軽へは続いていないから、高速バス「ヨーデル号」へ乗り換える。
 
学生時代は新幹線にこそ乗っていなかったがほぼ同じ経路を幾度と通った。
だから盛岡駅は親しみのある中継地点。
のはずだったが、駅ビルはだいぶ改装が進み、オレは完璧なstrangerだった。
おろおろしつつもバス停を探し歩く。
弘前行きの高速バス乗り場は東口を出たところにあった。
大宮までは雨降りだったが、ここの空は曇りの終わり。
興奮が進み、ちょっといいなと思ったものは全て撮りたい気分だった。

なんとなくありがたい光
 
ヨーデル号の中では、書くものをもっていなかったことを後悔した。
携帯は二日間もたせるつもりだったから、ここでは封印せねばならぬ。
しかしこの小さな旅は、今までとは比べものにならぬほどオレを感傷的にさせている。
途中の休憩地点、花輪SAでキティさんのご当地メモパッドを購入。
いずくんぞなりふりなど構わむ!
二三枚書いて飽きる。
残りは会社の電話メモにでもしよう。(ちょ)
 
弘前に着く。
何もかもが懐かしい。
駅から先輩の待つ学食までの二十分程度の道程で、パシャパシャシャッターを切る。
オレはあたかもstrangerだった。
駅前の街灯の柱。

ちなみに裏には「津☆GAL最強」だとか書いてあった。
少しうれしくなる。
 
先輩とお昼ご飯。

坦々としては異端だろうが何だろうが
オレたちはこの味以外を本物と認められなくなっている。
 
(中略)
 
辿り着いたお宿。

許される光はランプのそれのみ。
 

借り切った離れ。
 
フラッシュを焚くなんて無粋な真似などできない。
そうして無理矢理とったから、ぼやっとしているのだ。
きっとそれ以外に理由はないのだ。
 
 
優しく、のどかな夜だった。
毎年行きたい。毎年癒してください。
 
会社の帰り、なんとなく空を見上げる。
おとといの夜に見た空と愚かにも光の数を比べて、あーあと少し声が漏れた。