かけらに眠る勇者の心

喫煙所で清掃業者のおじいさんが吸殻入れを掃除していた。
再就職かなと勝手に思った。
それを見てなんとなく思い出したのが祖父。
定年まで勤め終えた後も新聞配達をしたりしてたっけ。
 
思えばうちの家族は皆たいしたもんだ。
 
祖父はエネルギーの塊だった。
祖母は永遠のお嬢様。
父は信念の人。
母は柔らかく生きる。
兄は兄で自由と信念かな。
 
はて、オレは。
「惰性」なんておあつらえ向き過ぎて洒落にならないから却下。
恥を忍んで言うなら「反骨」かなと思う。
でも虚弱な「反骨」。
ちくしょう!って思った時ぐらいしかやる気も出ない。
概ね惰性時どき反骨。
救いの余地なし。
 
なんかちょっと、ダイの大冒険のアバンの使徒を思い出した。
ダイじゃなくてポップの光が「勇気」だった!みたいな。ダイは「純粋」ね。
 
清掃業者のおじいさんの後ろで誰かが「お疲れ様です」と言った。
おじいさんは「あぁ、どうも…」と言ったが、そのねぎらいは他の人に向けてのものだった。
胸がぎゅんぎゅんしてやばかった。
お年よりはいたわるべし。
いたわれるように、毎日に余裕を持てるように。