ハトとの攻防
7分ぐらい、電車の中で発車を待っていた。
(まだかなー)
と座席に座って待っていると
ハトがドアから入ってきた。
(なんだハトか…)
(ハト!?)
このままじゃあ電車の中で飛び回って
糞とかを撒き散らすかもしれない。
当のハトだって自分の住処から離れてしまっては…
いや、奴らは大丈夫か…。
やはりそれでもこのままではいけないだろう。
今この車両にはオレとGサン×2。
オレがやらなきゃ誰がやる。
ハトがドアのそばに差し掛かった瞬間に
追い出すようにハトに向かって猛進。
見事、電車の外に追い出すことに成功した。
しかし事はそれだけで終わらない。
ハトはそいつだけではなかったのだ。
オレのそばのドアから入ろうとしてるハトにはオレの
泣く子もキョトーンとする眼力をもって頑なに侵入を拒んでいたが
Gサン付近のドアがハトに突破される。
次々に突破される。
(あぁ…)
(もう知らねえよ…。)
その時他の電車から何人か現役の人たちが流れ込んできた。
(オ、オレの役目は終わったのか…?)
しかし彼らがハトに対してしたことは何もなかった。
むしろノーリアクションだった。
(おまえらそんなもんか!?)
(あぁ、知らねぇ…。)
オレはハトとの対戦を諦めた。
そして発車のベル。
ハトは自然と全羽が降りていた。
(なんか…)
(あたし一人でばかみたいじゃない…)