(その3)

おk。
もうわかっている。
オレは彼女のことが好きだし、彼女はオレのことが好きなんだ。
森の中、二人は一本の大樹の根元に並んで腰掛けている。
森の中には二人だけ。
これ以上ないといったシチュエーションじゃないか。
悩む必要ない。
よし。


意を決したオレは彼女の手に自分の手を伸ばす。
手と手が触れた瞬間、ビクっとして引っ込めないだろうか?
握ったら、ちゃんと握り返してくれるだろうか?
いや、きっと大丈夫。
大丈夫さ。
彼女もオレも、もう、幸せになるべきなんだ。


手が触れ、一瞬キョトンとしてオレに向けられた彼女の目も次の瞬間には
すぐに愛しいものを見る目に変わり、オレにガバって抱きついてきた。
…受け入れてくれた。
嬉しくて嬉しくて、オレも強く抱きしめ返す。
ずっとこうしたかった。
ようやくこの時を迎えることができたんだ。


二人で寄り添うように森を出ると
外で待っていたらしい後輩の子がオレと彼女を見つけ、話しかけてきた。
後「おめでとうございます!長年の思いが報われたんですね!
  gepさん?セーラーヴィーナスさんを幸せにするんですよ!」




あぁ…ウソだ…そんな…