牛丼屋での悲劇

M屋はいいよね。
牛丼しか頼んでいなくても、味噌汁も出てくる。
やっぱり日本人は味噌汁なんだよね。何も牛丼には限らない。
まずおかずを食べ、次にご飯で中和、最後は味噌汁で流し込む。
このループの中にいる時、僕なんかは「ハポンでよかったぜ」って思うんだよね。
 
でもその楽しみが奪われてしまう時がある。
僕は毎回残念でならない。
なぜ僕の意志と無縁の所で選択肢を奪われなければならないのか?
なぜ日本人として楽しんじゃいけない?
彼に何の権利がある?
あるものかそんな権利!
 
…失礼。
原因は「つゆだく」なんだ。彼ってのは店員さん。
いいや、僕はそんなオプションは要求していないんだよ。
駄目なんだつゆだくは。
のど越しが良すぎるんだ。
味噌汁の出番がなくなるんだよ!
普段は「ありがたいなぁ」と思ってすするも、そんな時ばかりは「残すのももったいないからしゃーねー飲むか〜あーもうたっぷたぷだよファーック」となってしまう。
可哀想じゃないか?
ループの中にこそ味噌汁の存在意義がある。
そこでの…つゆだくのいない世界はもはや彼の独壇場だった。
彼はきっとそうありたかっただろうし、僕だってそれを願ってやまなかった。
つゆだくを否定するわけではないけど、それを選択する権利は言わずもがな客に有り、不可侵であるべきだ!
とまぁ、そう思うんだよ。
言ってみればテロだよね。
理不尽に自由が蹂躙される。
会社帰りにテロに遭うなんて、時代だよね。
みなさんもどうか、お気を付けて。
合い言葉は「ボソッ(余計なことを…)」