お題作文

友人がお題作文に最近凝っている。
中々文章力がある友人で、メールで来た文を楽しく読んでいるのだが
ついにオレにお題を出しやがった。
出されたお題はこちら

しなちくは」から初めて
あれ、今日は日曜だっけ?」で終わる学園ラブコメ
ただし、次の語句を文中に含めること。
スパゲッティー」「ロシアンティー」「ツンデレ

これは一度やらないとしつこく迫られそうだ(それもどうかと思うが)
と思ったオレは健気に作文作りました。
クソストーリーです。
 
 


 
しなちくはオレのあだ名だ。
「しなちく」と言ってもメンマが語源なわけじゃない。
「しなびた乳首」の略だ。
7月頭の体育の授業の水泳で、オレの乳首のしなびれっぷりがクラス中にばれ、翌日にはオレのあだ名に落ち着いた。アホか。親が聞いたら泣くぞ。
今、珍しく早めに家を出たオレはダルそうに学校までの上り坂を登っている。

  


「おいシナチク〜」
いつもの声、いつもの呼び名で呼ばれオレは不機嫌そうに振り返る。
「あん?」
「おいおい、そろそろ慣れなよそのあだ名。もう覆んないって。」
同じクラスのカシージャスだ。うざい。
「うるせえ…オレは認めねー。オレにはカニサレスって言う誇り高い名前があるんだよ!」
「まぁ、それは置いておいてさ。おい、しなちく。実はこんな素敵な朝だけどいきなり悪い。君に言っておかなきゃならないことがあるんだ。」
「なんだよ改まって。」
「親友の君だから言うけど…でもこれを言ったら僕らはもう親友ではいれないかもしれない」
ふと見てみると、カシージャスの表情は強張っていた。普段通っている道なのに、空気も景色も少し違ったものに感じる。きしょい。
「なんだ?言ってみろよカシージャス。聞いてやるよ。」
「あのな…。…あぁでも!」
「うぜー早く言え!」
「僕は女の子なんだ!」
 

  
なんだこいつは。そんなことで悩んでやがったのか。くだらない。
まったくこいつはいつもこんな取るに足らないことで悩んでるん
「うっはああああああ!?」
女!?カシージャスが女!!?
「そしてスキだ!スキだよしなちく…いやカニサレス!!」
「ちょっ、おまっマジかっ!!??」
「おまえの立派なしなびた乳首を見た時からオレのロシアンティーは沸騰しっぱなしなんだよ!答えを聞かせてくれカニサレス!親友とは別の高みに行こうカニサレス!!」
  
  
  
思い出してみればこいつの行動にはおかしな点がいくつもあった。
弁当に入ってる玉子焼きもスパゲッティーも「おなか一杯だから君が食べてくれないか」とかいって毎日のようにオレの弁当のフタに乗せてくるし、このあだ名が広まりだした頃、一人でそれを阻止しようとクラスの幾つかのグループに掛け合ってくれていた。テラキモス。
オレは普通にあぁ、こいついい奴だなって思ってたんだけど、それ全て恋愛感情によるものだったのかよ!?
こいつは本気だ。オレも誠意を持って答えねばならないだろう。
だがそんな付け焼刃の誠意よりもオレの心は嫌悪感に支配される。
 
 
 

カシージャス…オマエの淡い想いなんて知らない!いつも一緒にいるのは、オマエのこと好きだからって訳じゃないし、べっ別に今日だってただ早起きしちゃっただけなんだからっ!」

「そんな…    こと言っちゃってえ♪わかってるよ?そう言うの巷じゃ“<ツンデレ”って言うんだろ?あーもうホントに愛しい…」
ガバッっとカシージャスはオレに飛びついてきた!ひぃいいいいいいいい!
誰か助けてくれえええええええ!しかし助けを呼ぶにもなぜか通学路は閑散としている。
もしや…
  
  
「あれ、今日は日曜だっけ?」