敬老じゃないけど。

先月、地元に帰ったときに同じく帰省してた兄貴と話した。
数年ほとんど口を利かなかった兄と。




オレをそう仕向けたのは両親の銀婚。
これまでいろいろなものをずっと、与え続けてくれた二人に
なにかプレゼントをしたかった。




両親が喜ぶもの、いろいろ考えた。
お菓子、服、家電…。
どれもピンとこない。
そりゃそう、違ったんだ。
大切なものはモノじゃない。
気持ちなんだ。
そんな簡単なことに気付くのにえらく時間がかかった。



気持ちをこめたプレゼントをする。
一番親が喜ぶことは、わかってた。
オレと兄貴が仲良くすること。
これしかない。
(つっても仲が悪いわけじゃない。二人の距離感が摑めないまま放置してただけ。)
二人で協力して決めたプレゼントに、きっと両親はびっくりするだろう。





それで兄貴と話した。
何年ぶりかで、ふざけあって笑い合いながら話した。




二人で決めたプレゼント。
それは写真立ての記念品。
オレが写真を撮り、東京に戻った兄貴が写真立てを見繕う。





家族が集合してる時間を狙った。
使い捨てカメラは前日に買った。



オレ「友達と遊ぶ時に写真撮るんだ。
   あー、今ちょうどみんな集まってるからついでに撮ろう!」



少しわざとらしかったかもしれない。
それでもみんな良い笑顔の写真がいくつか撮れた。
あとは兄貴に任せた。





兄貴はうまくやったらしい。
今日、母親からやけに感動口調な感謝のメールが来た。



感謝って意味でのプレゼントなのに逆に感謝?
ははは、なんだこれ。
たぶん一番得るものが多かったのは、両親じゃない。
いったい誰のためのプレゼントなんだか。