金魚注意報
母親に「金魚ねぷた」をお土産に買ってくるよう、頼まれた。
ねぷた…起源は青森の「ねぶた」と同様。
ねぶたは3Dだが、ねぷたは扇形の箱に絵が描いてある。
ねぶたが凱旋の祭りなのに対し、ねぷたは出陣。
そのためか、はやしのメロディが少しねぶたより悲しげな感じがする。
オレはその「金魚ねぷた」を手に入れるためにお土産屋さんに足を運んだ。
店に入り中を見渡すと、一目で金魚ねぷたを見つけることが出来た。
人気商品らしく、一角に山積みしてある。
そのうちの一つが見本用らしく、箱が開けてあった。
どれどれ…
おおお!結構いいじゃん☆
これだろ母親が思い描いてる「金魚ねぷた」は〜。
でも、それを見たらオレは不安を覚えた。
ねぷたがその箱に、そのまんま入っていたから。
普通、壊れやすいものは箱詰めにする時
柔らかいなにかでくるまないか?
しっぽとかが折れちゃったりしたら、悲しくないか?
いや悲しいそれは悲しい。
箱を開けて悲しむ母を想像するとなおさら悲しい。
まさか、ここのままはもって帰れないな…
というわけで、ちょっと店員さん(40代前半女性)に聞いてみた。
オレ「すいません、『金魚ねぷた』ってこのまま箱に入ってるんですか?」
店員「はい、そうですけど何か文句でも?」
はぁあああああああああ?????
文句っつうかただ質問するつもりだったけど今文句言うとすればおばさん、あんたの態度にだよって言いたいのをぐっとこらえて
オレ「箱が揺れたりしたら壊れないですかねー」
ババぁ「それはーテープでとめます」
オレ「じゃぁとめてもらえますか?」
ババぁ「(無言で作業)」
うえぇん態度ワリいよぉおお。・゜・(ノД`)・゜・。
まぁ一応、箱にしっかりとめてもらったみたいだから
母にはこの状態のまま、この金魚ねぷたを届けることが出来ると思うけど
その裏には
理不尽に受けた不快感を自分の胸の内にしまいこんだという
オレの隠れた“自己犠牲”があったことを忘れてはならない。
あ、いや忘れた方がいいな…。