Light dawned on me at last.

幼少の頃から、オレはサッカーが苦手だった。
体育では上手い人がオレが突っ立ってるわきをすいすい抜けていった。
彼に在ってオレにないもの…それは才能だと思っていた。
中学、高校に進んでもたいして変わらなかった。
相変わらず上手い人はすいすいオレのわきを駆け抜けていく。
「うん、たぶんあれだ。このスポーツはそもそもオレとは無縁のものなんだ」
そう思っていた。
しかし大学に入ってからその考えは少し変わり始める。
友達や先輩に勧められてサッカーゲームをやり始めたのだ。
仮想の自分のチームを強くしていく日々。
上手くなる喜び、ゴールの快感…それをオレは仮想の世界で味わっていた。
いつしかオレはそれを現実でも、と思うようになった。
それから変化が行動にも現れてきた。
友達と共同出資でボールを買い、練習した。
昨日は、取る予定のサッカーの授業のガイダンスを受けてきた。
最近では一人の時でも室内でリフティングの練習をしてたりする。
バシンバシン壁に当たるから隣人には迷惑だろうが、
だんだんボールがまっすぐ上がるようになってきた。
「なぁんだ、なんだそーか。」
やっとわかった気がした。
オレになかったものは“興味”だったんだ。